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2021/08/30 14:00




人の話しをよく聞くことは大切なこと。

でもたまに聞いていて、
辛い時ってありますよね。

重い話、深い悩み、
相手が辛い状況の話。

トラウマになるほど悲しく、
苦しい話は

やっぱり聞いていても
キツいです・・・

親しい人であればあるほど、

こっちまで悲しくなってきて、
辛くなってきませんか?

共感、同情、救ってあげたい、でも
どうすることもできないし、
自分が変わってもあげられない。


これ、”思いやりの疲労”
(=コンパッション・ファティーグ)って
言います。

コンパッション:思いやり、
ファティーグ:倦怠感、エネルギー低下状態


相手の辛い状況に感情移入や同情し
その人の心象風景を覗くことで、

こちら側まで辛くなってしまい、
そしてどうしてあげることもできない
やるせなさ、もどかしさなども
複雑に絡み合い、

否定的な感情になり、

聞いている側のメンタルバランスが
乱れてしまう状態のことを言います。


思いやりの疲労は、
本人ではなく、他人の辛い状況を
受けての疲労なので、
二次受傷とも言われています。



これは何も、身近な人が
辛い状況になったことによって
陥る症状に限らず、

自分と関係のない人の話しでも
陥ります。

例えば、

途上国の医療体制に恵まれていない人の話しや
ゴミ山で必死に物を集めている
ストリートチルドレン、
戦争で家族を失った人など

ひどく悲しく、辛い状況にいる
全ての人の話においてなる症状です。


今、このコロナ禍において、
多くの人が、この状態に陥り、

それによって、

メンタルバランスを崩してしまう人が
後を絶たずに、

その中でも医療従事者は
止まらないコロナ患者に対して、

命の選別をどうしても
しなければならない状況です。

極度の倦怠感と絶望感を
感じることがあります。


もちろん医療現場の人は、
それがお仕事ではありますので、

毎度悲しみにくれてばかりでは
勤らないから。

医療現場以外の職業の人よりかは、
状況への適応度は悲しみ、辛い状況に
いる人と多い分、高いわけですが、

それでも惨状がずっと続くと、
いくらお仕事とはいえ、
心も折れてしまうわけです。

自分の思考、気分、感情の曇りが

仕事以外の部分や日常生活にまで
支障をきたしてくるようになると、

それは思いやりの疲労を
経験しているのかもしれない。


医療に従事していない人でも
友人、知人がコロナに感染し、
非常に苦しい状況である話や

自分とは関係のない人だけど
重症患者のニュース映像、ネット記事など。


今コロナ禍で、この思いやりの疲労が
世界中で、メンタルヘルスの悪化、
重大な健康被害の問題となっています。


どのような症状か。

・自己軽蔑の気持ち
・「私はもっとやるべきだった、
またはもっとできたはずだ」という絶え間ない自己非難
・自己不信、無力感、絶望感
・喜怒哀楽のイベント事に対して無感情または過敏
・感情的な倦怠感
・無関心、感情の麻痺
・仕事のやりがい、充実感、満足感などの感覚の低下
・悲観論
・冷笑的
・過度なイライラ。些細な事ですぐに怒りを覚える。
・仕事への集中力の低下、または意思決定の困難


肉体的、感情的、
精神的な疲労として現れる。


また、これらが引き金となって、

人との交流をさけて
内側に籠るようなってしまったり、
睡眠不足、悪夢をよく見たり、

過度な中毒行動に走ってしまったり、
これまで楽しんでいた活動への喜びの低下や
興味関心が喪失してくる。

果ては、抑うつ的な感情、不安感の増大、
うつ病などメンタルバランスの
乱れに繋がるリスクが高まります。


そこで、この思いやり疲労と
うまく付き合っていくには、


1)認識する



まずは、現状の不安や体調不良を認識し、
それがもしかして、思いやりの疲労から
きているものなのかもということなど、

今の状態、自分の考え、
感情など、今の自分の内面を照らし、
注意を払い、気付くこと。

ジャーナリングをする。
ここで言うジャーナリングとは
単なる日記のようなものではなく

感情を吐き出す。
全ての感情を吐き出します。

感情を全て吐き出す棚卸し作業です。
ブレインダンピングとも言われている作業です。


自己の認識を高めて、
内面をモニタリングし、

自分の感情と自分の肉体的反応を
自分で理解することが
最初のステップです。


2)感情的な境界の設定をする



過度に他人へ関与することで、
感情移入も過度になり、

入り込みすぎて、
他人の行動や他人の感情に
ひどく巻き込まれ、

自分の経験ではないのに
他人の痛みをより痛感する。


感情的な境界を設定しておくこと。

何も相手をシャットダウンして、
否定して受け入れないという意味ではなく、

自分を保護する、
自分を守るということ。

自分の健康を守り、
こちらも相手の距離感を
思いやるということでもある。

設定しつつ、相手をを思いやり、
共感し、支援し、尊重する。


3)しっかりと休む



ワークライフバランスを維持することは、
思いやりの疲労から守るのに役立ちます。

相手の幸せを過度に心配し、
自己をコントロールする感覚が低下し、
大きなストレスを抱え込んでしまっている。

しっかりと休憩、
余暇をとること。

オハイオ州立大学の
2021年8月21日Journal of Experimental 
SocialPsychologyに掲載された研究では、

「余暇は無駄」で、「非生産的である」と感じると、

幸福感が低下し、ストレスやうつ病の
レベルが高くなる可能性があると
新しい研究が示唆しています。

仕事以外の余暇活動や趣味のための
時間を作ることは、

ストレスレベルを下げ、
生産性を上げ、全体的な生活満足度を
向上させるのに役立ちます。


4)レジリエンス



ストレスから立ち直る能力、回復力を
レジリエンスと言います。

このレジリエンスを高めることで
思いやりの疲労によるエネルギー低下や
ストレスに対処します。

レジリエンスの構築に重要な要素の1つに、
受け入れるということがあります。

基本的に思いやりの疲労というのは、
自分事ではなく、相手の事情、状況であり、

あなたがそれをコントロールしたり
制御したりすることはできません。

制御できない、
コントロール不可なことに対して
怒り、イライラすることで、

エネルギーを浪費させ、
不安と絶望を感じさせ、

メンタルバランスを
崩してしまっていては、もったいない。


状況を受け入れることは、
自分がコントロールできることに
自分のエネルギーと時間を
費やすことができる。

自分がコントロールできる範囲の
物事に集中すること。

他人の痛みや苦しみや悲劇を
過度に引き受けることなく、

感情的な境界を設定しておき、

自分が処理できると感じるものだけを
引き受けること。


自分では管理できない物事リストを作成し、

それらについて
心配するのをやめると約束します。

そして、実行できるアクションにのみ
焦点を合わせること。

レジリエンスの構築についての詳細は、
下記の過去記事に記載しております。

■レジリエンスを高めコロナ時代を乗り切る



5)セルフケア



思いやりの疲労により、
感情的ストレスが蓄積し、

イライラ、悲しみ、不安、
エネルギー不足、モチベーションの低下など
肉体的にも、精神的にも
バランスを崩すリスクが高まります。

そんな時、自分に優しく、愛し、
思いやりをもって接してあげること。

・良質な睡眠がとれる睡眠儀式の構築
・早寝早起きの習慣
・瞑想
・定期的な運動習慣の構築
・健康的な食事の習慣



いかがでしたか?

他人の苦しくて、悲しくて、
暗くなる状況の話しが今、
連日このコロナ禍で目にし、
耳にする状況です。

思いやりの疲労で
少し疲れてしまっている可能性があります。

そんな時は、上記を頭の片隅に
置いておいてもらえると嬉しいです。


おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。

Good virtues(グッドバーチューズ)