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2020/09/03 14:00



「懐かしい」って感覚っていいですよね。

あの甘酸っぱくて、暖かい気持ちになる感覚。

懐かしく感じるものとして、例えば、
昔の写真や昔作ったものを見たり、
音楽、香り、場所、本など。

それらに思いを寄せ、懐かしむと、
自然と笑みがこぼれてきますよね。

懐かしさっていうのは、
過去への感傷的な切望または切ない愛情で、
大切な時代を過ごした時の思い出や幸福感と、
永遠に戻ってこないという悲しみが混ざり合っている
感情でもあります。

イギリス、サリー大学のエリカ・ヘッパー氏は
「人は平均して、週に1回程度、慣れ親しんだ香り、
音楽、古い写真などで刺激を受けています。
これは、家を出て大学を卒業したり、新しい仕事を始めたりするなど、
重要な人生の移行に対処している10代と20代の若者や、
自分の人生を振り返って再評価している50歳以上の
成人に特に多い」と言います。

例えば、昔よく聞いた、好きだった音楽。
専門家によると、思春期の脳の特性で、
昔好きだった音楽と感情的な記憶が
特に強く関連するようになるとのこと。

お気に入りの歌が脳の快楽回路を刺激し、
ドーパミン、セロトニン、オキシトシンなど
気持ちよくさせる神経化学物質が
分泌されてるんですって。

曲が好きになればなるほど、どんどん分泌され、
好きな曲をリピート再生します。
コカインを追いかける時と同じ
神経伝達物質で脳が溢れます。

音楽自体にこのような脳への効用があり、
思春期の脳では、この神経活動がより活発に、
より強烈になります。

12歳から22歳の間に、私たちの脳は急速に
神経学的発達を遂げるからです。

更に思春期の成長ホルモンのおかげもあって、
感情が高まり、強い記憶として残されます。

懐かしさを感じることによる
メリットはたくさんあります。

ノースダコタ州立大学の心理学教授ルトレッジ氏による
2012年の研究では、懐かしさというのは、
気分を高めてくれ、ストレスを減らすことができ、
他者との社会的つながりの感情が高まると示唆。

「懐かしさを経験するとき、私たちはより幸せに感じ、
より高い自尊心を持ち、愛し、人生にもっと
意味があると感じる傾向があります」と言う。

またヘッパー氏は、将来について、
楽観的に考える、良い意味で
楽観主義的な見方を生み出してくれると示唆し、

懐かしさを感じた後は、自尊心と自己肯定感が高まり、
他者に優しく、暖かい気持ちになっているので、
慈善団体への寄付や自分の持っているスキルの
貢献など、役に立ちたいという気持ちが高まります。

そして、懐かしい会話や記憶を友人、家族、
パートナーや恋人と共有することで、サポート力や
思いやりが増し、絆も強く、信頼感も増すとのこと。

2018年テキサス大学の研究によると
パートナーと恋愛関係の初期の部分について
懐かしさをシェアすることで、満足感が高まり、
良かった記憶とともにポジティブな感情や愛情が
再体現でき、関係性の満足度を高めるのに役立つと示唆。


またペッパー氏は、ネガティブな気分や孤独を感じるとき
人は「懐かしさ」が恋しくなるとのこと。

これは大いに良いことで、もし、現状ポジティブさ、暖かさ、
または人生の意味を見出せない時などは、
過去の良い、楽しかった、キラキラした思い出を懐かしみ、
現状にその気持ちを活かすべく、活用すべきとのこと。

ただ懐かしさは全部が良いこと、
ポジティブなことというわけではないから、
ポジティブで、ほろ苦く、甘い、
キラキラした、良い記憶に焦点を
合わせることと言ってます。

そのように良い過去を懐かしむことで、
現在に新鮮な視点が生まれるかもしれないし、
「そうだ、そうだ、私ってこうだったよね」と原点に立ち返り
それが、現状に立ちふさがる壁やピンチを
乗り越えるきっかけや、不退転の決意ができたり、
覚悟きまったりなど何かとブレークスルーする
きっかけになることもあります。

また過去の成果を思い出して、
懐かしむことで、今のエネルギーを再活性化させ、
モチベーションが高まり、現在の目標の達成に
集中できることもあります。

2015年のJournal of Personality and Social Psychologyで
発表された研究によると、懐かしさの感情は、

私たちのレジリエンス(回復力や突破力、逆境を跳ね返す力)と

将来についてポジティブさを高めることができると
示唆されています。


掃除している時に、ふと出てくる
懐かし写真、物、手紙
時を忘れ、浸り、微笑みが出ます。

昔好きだった音楽を聴いたり、古い写真を見たり、
映画を観たり、場所へ行ったり。

懐かしさを呼び起こす方法は無数にあります。
心の状態を快適に、改善することができます。

懐かしむことは、回想とは違う。

懐かしさとはその当時の感情までに焦点があたり、
臭い、空気感、色など明確に想起する特別な感覚。

懐かしむことというのは、私達の気分を改善し、
インスピレーションや創造性とモチベーションを刺激し、
ポジティブな感覚を取り戻し、促進する
トリガー(引き金)となっているわけです。

実際に2014年のサウサンプトン大学の研究でも
懐かしさは創造性を育むことを示唆しています。

学生は2つの異なるグループに分けられました。
1つのグループでは、懐かしさを感じさせる
過去の出来事を考え、その記憶に没頭するように言われました。
それから、そのことについて5分間書くように言われました。

もう一方のグループは、懐かしさという感情が沸いてこない、
懐かしさとは関係のない昔の「通常の体験」について考え、
それについて5分間書くように言われました。

結果は、懐かしさを考えた方のグループは、
通常の経験について書いた人よりも、
はるかに創造的であるという
傾向が示されました。


つまりはこんな感じ。

・気分を高める
・インスピレーションとモチベーションを引き起こす
・本物の自分を垣間見る
・問題解決に役立つ
・厳しい状況に対処するのに役立ちます
・人生に大きな意味を与えることができます

もちろん、完全に過去に生きたり、
いつまでも毎日、毎日過去へ意識を向いて
過ごすことはいけない。

過去にいつまでも捕らわれていると、
今日の人生を積極的に生きることができなくなるから。

過去のポジティブを懐かしみ、それを
今に役立つ方法で、定期的に、そして柔軟に
戦略的に使用していくことが大事。

また懐かしさとは非常に強力な
動機付けの力となり、習慣をも変えることが
できるという研究もある。

2017年のミシガン州立大学の研究では、
喫煙をやめるのを助けることによって、
脳の中毒パターンを変えることができることが
わかったと示唆。

研究者は、習慣の危険性を強調したものではなく、
タバコの前の生活の懐かしさを呼び起こしたプログラムを行った。
禁煙へのモチベーションが高まり、喫煙全般について
否定的になりました。

過去の記憶と感情は強力で、
良い、ポジティブな記憶を懐かしく思う
作業というのには絶大なパワーがあることがわかる。

脳内部の「報酬」システムと結びついている
ということだから、それを正しく、戦略的に、かしこく
利用すれば、ストレスもケアされ、
メンタルも健康的になり、良い方向に
向かうことができるってことを意味しています。


おあとがよろしいようで。
今日はこのへんで。
おしまい。