Blog

2022/01/25 14:00


あなたが最後に感情が
爆発したのはいつですか?

感情の制御が不能に陥るとでも
いいましょうか。


人は誰しもが、怒ったり、
イライラしたり、悲しんだり、
泣いたりします。

これらネガティブな感情が発生しても、
それはあくまで短期的で、

それら感情をうまく対処し、
管理する自己調整する能力が
備わっていれば問題ないのですが、

冷静さを失って、動揺して行動を
コントロールできなくなったり、

思い通りにいかなかなくて
不満が爆発して自暴自棄になったり、

失敗や嘲笑により恥ずかしくて
罪悪感でいっぱいになって
何もできなくなってしまったり、

悲しくて目の前のことに
集中できなくなったり、

怒りや腹がたち、相手に攻撃的になったり、
過剰なアルコール暴飲暴食をしたり、

嫌われているんじゃないかと
不安になり、交流を避けたりなど

もちろん感情の制御が
効かなくなることは
人間だから普通なこと。

ただしその頻度が慢性的で、定期的で、
長期にわたって感情のコントールが
効かない状態、

高レベルな複数の否定的感情に
毎日さいなまれてしまっている状態であるなら

一度立ち止まって考えてみても
いいかもしれない。


感情の抑制、許容、緩和などの
感情の調整、

感情をコントールすることが
難しい状態のことを
「情動調整不全」と言われています。

情動とは、心や感情の動きのこと。

それを調整することが中々できない状態。


感情のバランスをとる方法や
スキルを学び、

情動調整を管理し、
自己調整する能力を高め、

感情をコントロールすることが
できるようになることは
訓練次第で可能とされています。


それを学び、養うことで、
ストレス、怒り、失望、悲しみ、
欲求不満などに対処でき、

不必要な苦しみから解放され、

対人関係、仕事などにも
効果的に機能し、

落ち着きながら、冷静に、
ネガティブな感情、変化する環境に、
適切に対応し、

適応することが容易になってくる。


感情の調整は、人生の幸福度にも
影響してくる。


感情的な調整スキルを学び、

最適な感情を最適な場面で

使用できるようにすること。


そこで、私達の感情を調整するのに
役立つスキルとして


1)一時停止する



何かが起こり、それに衝動的に、反射的に、
ある特定の感情へと自動的に反応、応答する。

感情は、とても急で、突然です。

怒り、悲しみなどネガティブな感情に
「さーて、これからネガティブに感じるぞー」と
準備するようなものではありません。

あるイベント事に対して、衝動的に、
反射的に、自動応答的に
「こうだ」と感じてしまう感情。

トリガー(引き金)と
つい衝動的にその感情へなるようにと
反応してしまう間にスペースを作る。


そのスペース作りに大きく
貢献する感情調整スキルというのは、

呼吸です。呼吸を整えることです。

呼吸法を整えると、衝動的な反応に
一時停止してくれるようになることは
あらゆる研究で明らかになっています。

「呼吸」と、不安、怒り、
恐怖などの「感情」は密接な関係にあります。

不安、怒り、恐怖などの
感情を司っている脳の中枢として
扁桃体という脳の箇所があります。

この反応を鎮静させるというのは、
感情を沈めて落ち着きや
冷静さを取り戻せるということ。

呼吸が浅いと、扁桃体が高ぶり、
不安や緊張が高ぶり、

呼吸が深く、ゆっくりだと、
扁桃体が鎮静し、リラックスする。

逆もしかりで、不安だと、
扁桃体からの指令で
呼吸回数が増え、浅くなり、

リラックスしていると、
ゆっくり深い呼吸になります。


扁桃体は、「感情の動き(情動)」と、
「呼吸」の両方を司っています。

呼吸は、扁桃体の指令で生まれています。

そう、呼吸と扁桃体から生じる情動、感情とは
お互いに連動していて、
お互いに影響しあっているから。

だから感情と呼吸とは
密接に繋がっているということ。

感情を調整する時は、
呼吸を意識し、呼吸を整えて、
深呼吸するということは、

非常に理にかなっているということ。

まずは、あなたがしていることを
たった1分間止めてください。

ゆっくりと深呼吸をします。
そっと呼吸に注意を向けます。
4カウント息を吸い、4カウント息を止めて、
4カウントで息を吐く。

鼻から吸って、鼻から出す方法もあります。
鼻から出入りする呼吸を追跡します。



2)観察する



何も変えようとせずに
現状の自分の内部を観察していきます。

今、何を考えていますか?
そしてそれをどのように感じていますか?
そしてどのイベントや物事が
その感情を引き起こすトリガー(引き金)となっていますか?

ネガティブな感情を避けようとしたり、
恐れたりして、面と向かはず逃げる回避行動は

後に数倍大きな不安となって
表面化してきます。

とはいえ、不快な感情を引き起こす状況に
身を置く必要もありません。

自分がネガティブな感情を感じ始める時の
パターン、その感情についつい
自動的に陥ってしまう要因とは
一体何なのかを探し始める。

自分の感情を識別し、認識し、説明する。


自問してください。


たとえば、動揺、悲しみ、
怒り、うざい、怖い、心配、恨みなど。

・人生がうまくいっている友人の話しを聞く度に
嫉妬と怒りで煮えくり返る。

・友人の結婚、夫婦生活、育児などで
楽しそうな1コマをSNSで見る。自分の取り残されている感。
彼氏もできない。不安と寂しさで夜も寝れない。



そして、次は、自分の体に注意を向けてください。

あなたがあなたの体で
感じている感覚(例えば、肩が重い、
背中が痛い、動悸や息切れで息苦しい、
胃がむかつく、首や肩が回らないなど)を
観察してください。


脳内をモヤモヤした霧で覆うのではなく、
自分自身にじっくり耳を傾けること。

今の自分自身の感情やどう感じているか、
はたまた身体的感覚、症状に至るまで
じっくり耳をすませて
聞いてあげよう。

シルエットのように浮かび上がらせる。

あなたは何も変更しようとせずに
単に今の自分の状態に気づいているだけで
構いません。


3)続行する



今の自分自身の感情とその引き金、
そして身体の状態を客観視したことで、

これまで無意識に、衝動的に
自動的に感じていた感情回路を
客観視することができ、

そういう状態になっている自分、
そう感じている自分を受け入れること。

自分を認識すること。

特定の感情を誘発するパターンやトリガー、
今の状態を客観視し、

自分への気づきの感覚を持って

次に怒りや恐れを感じるときは、
自分がどのように反応したいかを
選択できるということを認識すること。


反応を選択することができるとは、

自分がどのような反応をするか、
どのように感じるかは、

全て任意だということ。


一時停止し、現状を理解し、
客観視し、衝動的反応の前に
スペースを与える。


トリガーに対して、
どのように反応するかは自分で
自由に選択でき、

どの感情になりたいかの
決定を下すことは
自分が自由にできるということを
認識しておく。


感情はただの心の状態にすぎない。
ただの情報です。

行ったり来たりさざ波のようにくる
ただの情報にすぎません。


あなた自身をあらわしているものでは
決してありません。

悲しいのは自分が悲しい存在
というものではなく、
一時の情報に過ぎないということ。


怒りという感情をそのまま採用し、
ブチ切れて物にあたったり、
相手にひどく攻撃的になることが


本当に今、この状況に
ふさわしいことなのか
考える余白も生まれる。


応答は切り替えられる。


自分の誤った思考パターンを学び、
認識し、変更できるようにする。


どの感情を選択するかは
自分の自由だということ。

ストレッサー(ストレスの引き金)への
対応方法、つまりこれまでの衝動的な反応を
意識的に変えることができるということ。



S:Stop:一時停止
T:Take a breath:息を吸う
O:Observe:観察する
P:Proceed:続行する


1)~3)は、
STOPというマインドフルネス
エクササイズです。


深呼吸と同じように、ストレスを感じている時の
1回限りの運動にしてもいいし、

定期的(理想的には毎日)に日常生活のルーチンに
取り入れることもできます。



いかがでしたか?


人間誰しもネガティブな感情を
感じてしまう。それはごく自然なこと。

その感情は、もちろん
正直に感じてもいい。

ただし、その感情は本当に正しく、
ふさわしい感情反応なのか、

その感情をあえて採用する
必要はないんじゃないのか。


最適な場面で最適な感情を。

感情的な反応のバランスをとる。

調整する。

簡単ではないし、時間はかかるかもだけど
それはとてもやりがいのあること。


おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。



Good virtues グッドバーチューズ