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2021/11/09 14:00



もし愛する人、家族、身内、
恋人、親友、人生を変えてくれた人などが
大病にかかったとします。

死に一歩一歩近づいている状況、
もはや喪失、死別が
差し迫っているような状況だとします。

あなたは、その時、とても辛く、
悲しく、胸が張り裂けそうな感覚、
どうしてあげることもできない無念感、
残念感、罪悪化など、複雑な感情が入り乱れ、

総じて悲しい感覚に
陥るかと思います。

このように、愛する人が死に近づいているのを予感し、
見届けたり、世話をしている間や、
自分が死の予感する時に発生するこの種の悲しみを

心理学では”予期的な悲しみ”と言います。


死後の悲しみではなく、
死を予期することで
事前に発生する深い悲しみです。


愛する人が死にゆく状況を
ただ見ているような、
もう自分の力ではどうしようもないような
受け入れがたい、歯がゆい時です。

変化を悟ってから、

この悲しい苦痛は、
死別する数日前、数ヶ月、
数年前に感じる人もいます。

とある研究では、この予期的な悲しみは、
死後の悲しみと、同じレベルの
深い悲しみに陥る可能性があるとも
言われています。


・愛する人が末期癌の診断を受けた
・親が認知症、痴ほう症、アルツハイマー病になった
・大病を患ったもしくは近親者が患った
・終末期の介護
・臓器移植を待つ状態
・瀕死状態で死が迫っているペット



予期的な悲しみは、愛する人がいなければ
人生がどのようになってしまうのかを
想像することから生じます。

孤独、一人でいることの辛さ、
慣れ親しんだ生活を失うこと、
やってもらっていたことが自分には
できない恐れ、絶望、無気力など

これらの感情を経験しているのは
家族や友人だけではありません。

死にゆく人は、悲しみの準備をすることで、
恐れ、孤立感、苦痛、ショック、絶望、
怒りさえ感じるかもしれません。


刻一刻と、ゆっくりと、
喪失する日が近づいている。

その人が死なないいように
強く希望を抱くのと同時に、
愛する人の差し迫った死を
知って生きることの悲しみや別れる辛さ。

この希望と悲しみという
2つの複雑な感情。

また時に、希望を諦めている自分、
死を悲しむ感情に陥っている自分を責めて、
罪悪感を感じることも。


これは何も愛する他人のみに抱くものとは関わらず、
自分の死を予感し、理解する時も同様に
予期的な悲しみは発生します。


この予期的な悲しみが
長く続き、慢性化する時、

感情的および肉体的に大きな負担となり、
エネルギーを奪い、

うつ、不安感の増大、パニック、恐怖感、
神経過敏性、不眠、
深い悲しみ、倦怠感など。

日々の生活に支障を
きたすリスクが高まる可能性があります。


ただし、これら感情はすべて予想され、
折り込み済みなものであり、
ごく自然なことで、

予期的な悲しみは
起こって当然の感情だということを
理解しておく。


誰もが予期的な悲しみを
感じるわけではありませんが、
それはごく一般的です。


また、多くの人は認めたくないのですが、
もう耐えられなくなり、我慢の限界にきていて、
自分の人生を後回しにし、
時にはうんざりしていると感じる。

全てが早く終わってほしいと
感じてしまうことも心理学では、
普通のこととされています。

愛する人がまだ生きている間に悲しみを感じることで、
そのような感情を抱いた自身を強く責めたて、
罪悪感を強く抱き、立ち往生する必要は
ないんだということ。


予期的な悲しみは、喪失という現実に
徐々にアジャストするための時間を
与えてくれる準備期間であり、喪失のリハーサル。


予期的な悲しみには、
次の段階があるとされています。

1:今後の損失についてのショックを経験する
2:喪失の現実を否定する
3:最終的な受け入れ
4:前進する


そこで、

予期的な悲しみに対処し、
乗り越える方法として


1)正直に感じること



自分の心の痛みを、そのまま、
ありのまま、素直に、正直に感じること。

罪悪感は必要ありません。

また悲しんで当然であり、
自分に痛みを感じさせることから逃げないこと。

それらの感情を隠さないようにすること。

今の悲しみを否定しないこと。
自分の今の気持ちを否定しないこと。

「こんな感情はダメだ」と奥底へ今の気持ちを
追いやったり、無視したりしても、

心の傷は癒えず、いずれ表層化し、
何倍にもなって長期間わたって
苦しめられてしまいかねない。

今の気持ちと向かい合って、思う存分悲しんで、
今感じている痛みを否定しないこと。



2)許しと愛を実践する



愛する人が末期症状の場合、
健康時に伝えられなかったこと、
伝えておきたかったこととして、

「私はあなたを愛しています」
「私はあなたを許します」
「ごめんなさい」
「ありがとう」

などを言う機会であり、
愛、感謝、許し、償いをする時でもあります。

これらは自分と相手の両方に
深い安堵感をもたらす。

これら口頭で直接伝えずらい時は、
手紙を書いてみることも。

死が差し迫っている愛する人に

愛、感謝、許し、償い以外でももちろんいい。

伝えたいことは何ですか?
あらためて伝えたかったことは何ですか?

何を言いたいですか?
言い残しておきたいことはありますか?
これまで避けていた会話はありますか?

チャンスがあったときに言わなかったことを
後悔するかもしれないことはありますか?

また、もし喪失する死にゆくのが自分の場合は
自分の子供に手紙を書くことを検討しておくこと。

残された家族や子供は
予期的な悲しみを経験します。

その悲しみを乗り越え、自分自身の
前向きな未来に備えてもらうように。


3)質の高い時間を過ごす



死にゆく愛する人を訪ねない場合、
後で後悔するかもしれません。

予期的な悲しみの利点は、
愛する人とより多くの
時間を過ごす機会を与えてくれること。

その人と過ごす貴重な時間。
一緒に過ごす時間を有意義な時間にする。
価値のある、または記憶に残る活動を。


・昔の古い写真を見る

・一緒に物語を語り、あなたの好きな思い出を思い出します

・お気に入りのゲームを一緒にプレイする

・お気に入りの曲を一緒に聴く



4)自分の気持ちを表現するガス抜きアクション



趣味でも何でもいい。
少しリラックスする時間を見つけ、
自分の気持ちを正直に吐き出せる
ガス抜きアクション。

自分を安心させ、
自分自身の世話とケアをする。

・アートワーク(絵や音楽など芸術事)
・ジャーナリング
・瞑想
・祈り
・定期的な運動
・栄養価の高い食品とバランスの取れた食事を食べる
・毎晩十分な睡眠をとる
・友達や家族と過ごす
・お風呂に入る


これら自分の今の気持ちを全力で
表現するという側面と、
心身の健康を維持するという側面がある。



いかがでしたか?

予期的な悲しみというのは
正常な感情だということ。

なかなか現実を受け入れるのが
難しいかもしれないし、

死期が迫った相手をサポートするのは辛く、
悲しいことではあるけど、

双方にとって残された時間は、
非常に貴重な時間であるということ。

でも頑張りすぎないよう、自分の健康と
幸福までも犠牲にしてしまはないよう、

自分へ優しくし、
自分へも思いやりを持って、
しっかりとケアし、自分のエネルギーに集中することも
大事になってきます。


おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。




Good virtues(グッドバーチューズ)