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2020/11/26 14:00




日常に忙殺される日々。


「もっと自由な時間を作らないと」
「もっと生産性を高めないと」
「もっと効率的にやらないと」と

誰もがそう思っているし、願っている。

なぜなら、より多くのことを成し遂げることができ、
またより少ない時間でより多くのことをすることができ、
ようはコスパが良い。


だからそういう人には、
より困難で重要なタスクもどんどん任される機会が増え、
それだけ大きな額、大きな案件に携わるチャンスも増える。

また、雑務を終えて、専念しなきゃいけない自分の
仕事や自分の時間を捻出できるようにもなるから。

でもいつしか、タスクをどんどんこなすこと、
物事を成し遂げる事、生産性を高めること自体が
至上命題となり、

それ自体が目的化して
しまっている人もいるのでは。


生産的であることに固執してしまい、
常に物事を成し遂げることにフォーカスされ、

肝心な自分にとって本当に価値のある、重要な
何かがあるはずなのに。

すべてをやろうとしている。

生産性という言葉に閉じ込められる。


回復させ、心にスペースを作ることを忘れ、
年中無休で、時間と戦い、ストレスをため、
常にプレッシャーと緊張状態な心身でいる。

生産性を追っかけすぎた結果、逆に
非生産的になってしまう現象が起こってしまう
ってことも、”あるある”なわけで。

「生産的でなきゃいけない」という強迫観念。


それに固執し、可能なかぎり追及し、
睡眠不足、不機嫌、空腹、人間関係のわずらわしさに
発展してしまうリスクもあるってこと。


生産的であることを重視するあまり、
それが逆効果になってしまう
可能性もあるんだってこと。




1)自尊心の低下リスク




全てが生産的にできるとは限らないし、
不完全な日や思ったよりできなかったってことは
人間だからある。


あらゆることを生産的にやるよう常に追っかけすぎて、
どうすればもっと多くのことができるかを考え、

翌日、自分自身にさらに多くのことをするように
スケジュールを入れたり、負荷かけたり、
補填するように促す。


どうすれば?どうすれば?と頭の中は反芻され、
常に満足のない「足りない」という不足状態。


当然その満足のいかない不満、
満ち足りていないメンタルは、

眠りにも影響し、食事も手間になり
即興で作られ、

好きな人や愛する人と
好きなことをする時間も犠牲になっていく。 

感情のコントロールが難しくなる。


不完全だったことについて
「なんでこんなにも生産性を気にしているのに
なぜできないのか、なんで時間がないのか」と

自分の内側で、自分自身を厳しく、
責めてしまったり、
失敗感、恥、罪悪感が出てしまったり、

自尊心が低下してしまったりなど、

ネガティブな感情にさいなまれて
しまったりすることだってある。

生産性を追っかけすぎて、
こういうメンタルヘルスの状態が
常に続いていると当然、

ベストなパフォーマンスを
発揮することが難しくなる。



2)幸福感の低下リスク




いつも物事を成し遂げるのに忙しいとき、
自分が今このようにいること、
できることを祝福し、

自分が既に持っているもの、
当たり前の日常に感謝することや

自分の内面について考える余裕もなく、

日々生産性の追求により、いつも不満、不足、
満ち足りてない心の状態、

時間とのプレッシャーと緊張状態で、
生産性はおろか、

人生の幸福感をも低下させて
しまっているというリスク。


時には時間を忘れて遠出をしたり、
人間関係の育成、愛する人との付き合いなど、


喜びをもたらす
一見非生産的なことに


時間を費やすことがバカらしく
無駄に思えてしまう可能性が高まる。


せわしなく、忙しくて、
心にも余裕がない時ほど、
これらは重要なことであり、価値のあるものなはず。


生産性を高めることに
盲目的になりすぎると

本当に重要な部分、
大切にする部分であるこれらの優先順位を

見失ってしまう可能性が出てくる。



3)エネルギーの低下、パフォーマンスの低下




人間、四六時中ストレスを燃料にして稼働するようには
作られていません。

休息し回復させなければ、
体は絶えずストレスに晒されている状態となり、

これによってストレス負荷時に分泌されるホルモンで
別名ストレスホルモンと呼ばれているコルチゾールという
ホルモンが過剰に分泌される。

それが慢性化すると免疫力、消化、
神経系やメンタル、内分泌系に
悪影響が出てしまう。

心身のエネルギーが低下、集中力、
モチベも低下、性欲も低下、体は疲弊する。

ストレスは高脂肪、高カロリーな過食や偏食の
渇望を生み出す。

その疲労をなんとか戻すために、
何杯もカフェインを摂り、
甘いお菓子(砂糖)やジャンクに頼る。


時間のプレッシャーとストレスを感じているとき、
人間の脳の創造性を司る部分が
シャットダウンされてしまいます。

集中して焦点を合わせ、情報をとりまとめ、
決定し判断を下すのが、より困難になり始めます。
また、自分自身の直感力をも低下してしまいます。

トップアスリートがトレーニング中に
休憩をとる理由は、

休憩が肉体的および
精神的な疲労を避けるために不可欠だから。

本当の意味で生産的になることができるのは、
毎日、一時停止して「非生産的」である
時間を確保するときだけ。


4)偶然的なことが見えずらい




偶然の出会い、急に現れるチャンス、
奇跡、シンクロニシティ、運など。

物事を成し遂げるのに忙しすぎて、
エネルギーが低下し、
疲弊していると、

これらとの偶然の出会いやインスピレーション、
気付きが見えずらくなってしまう。

時間との戦いをやめ、時間を一旦受け入れる。
そして停止し、自分の時間をしっかり作る。
せわしない日常に余白をつくる。

生産性への執着を手放すことで、
結果的に重要なスペースが作成できるようになる。




いかがでしたか?

「行うこと」「動くこと」は大事。
生産性ももちろん大事。

でも、時には立ち止まり、喧騒から離れ、
内部にもっと注意を払い、
生産性の奴隷、生産性の執着から解放された時、


動いてばかりいては、
決して得られなかったであろう
自分にとって、きっと大事な何かが
手に入るはず。



おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。



Good virtues グッドバーチューズ